このページにたどりついた人は、きっと紅茶に興味を持ったり、紅茶で生きていこうと思った人だと思います。
どうすれば紅茶を学べるのか、また、紅茶の店を開く、紅茶店で働く、紅茶教室の講師として働くためにはどんな資格を身に付ければ良いのか考えているところかもしれません。
紅茶の資格はどれがいいかを悩んでいるあなたに紅茶に関する資格について紹介していきたいと思います。
目次
紅茶関連の仕事をするのに資格はいるのか?
まず、大前提として、「紅茶」で仕事をするためには、医師や弁護士、士業など、事前に資格を取って独占業務ができる、といった制限はありません。
紅茶に関する仕事をしようと思えば、今からでもすぐに始められます。
もちろんお店で紅茶を出そうと思えば当然、営業許可を取って、食品衛生責任者などを設置しなけばなりませんが、それはいわゆる飲食業としての準備であって、紅茶独自のものではありません。
紅茶については、残念ながら(?)、現時点では国家資格はありません。
各団体が行っている民間資格のみとなります。
民間資格と聞くと「どうせよく分からない団体がお金儲けのためにやってるだけ」とか「権威がない」とか「結局、お金勿体ないだけ」とか「資格証明書をお金で買うだけ」という言葉をよく聞きます。
もちろん国家資格ではないので、そういった意味ではワンランク下がるかもしれませんし、団体によっては大した内容もないのにお金払えばほぼ資格証を手にできるというところもありますが、ただ、ほとんどの場合、間違いなく紅茶に関する知識を深められるし、講座終了後に紅茶の道へ門戸を開いているような講座もあり、決して無駄にはなりません。
私もずいぶん昔になりますが、サラリーマンをしながらも、どうしても紅茶への思いが捨てきれず、図書館にある紅茶の本を読み漁ったりしたけれど、やはりもっと知識を深めて、またそれを証明できるものを手にしたい、という想いから、民間講座を受けて、紅茶アドバイザー&マイスターの資格を手にしました。
決して安い金額ではなかったですが、受けて良かったと思っています。
別にハクをつけるためじゃないけれど、確かに何もないよりは、少しは安心してくれるかもしれませんね。
おすすめの紅茶資格とは
数ある紅茶に関する検定や資格のなかから、おススメの資格を紹介していきます。
紅茶検定
日本紅茶協会も特別協力している紅茶検定実行委員会が主催しています。
公式ホームページはこちらですが、コロナの影響か2020年度が最後の試験になっているようです(2022年6月時点)。
試験は毎年2月に実施され、初級(4,900円)・中上級(5,900円)・上級(7,700円)の3種類に分かれていますが、上級を受けたい人は中級に合格している必要があります。
かといって上級受けるには中上級受けて1年越しに受けないといけないのか、というとそうでもなく、中上級と上級を併願することは可能です。
併願をすることで受験料も若干、お得になります。また、『調味料検定』などの他の食に関する検定を受験する場合も若干、割引されます。
合格基準はどの級も正答率、約70%以上です。
特に事前に講習を受けたりする必要もなく、公式参考書とされている教材を勉強して試験に挑む形です。
こちらが初・中上級の公式テキストと、公式参考書の一部です。
過去問もそう出回っていることはないので、これらの本を勉強して、基本的な知識を身に付けていけば、合格できるのではないかと思います。
ただ、私は受けていません。
その理由はこの試験が東京・名古屋・大阪でしか実施されておらず、現在、広島県人の私は交通費を考えると、ちょっと試験代が高くつくかなと思っているので、この部分は今後、試験会場が全国に広がると良いなと思います。
そして合格した場合には「カレルチャペック紅茶店」特製の限定イラスト入り合格認定証を手にすることが出来ます。
これが可愛らしく、これを手に入れるために受験する人もいるとかいないとか。
紅茶アナリスト
アナリスト、と聞くと投資や政治関連の難しい感じを受けますが、紅茶アナリスト資格というものも存在します。
紅茶の本場と言われる英国の伝統等の知識や、もちろん紅茶に関する茶葉・茶園、ティーブランドの特性など、広い範囲に渡って学習することが出来ます。
そしてそれらを生かしたアレンジティーやティーフードの作り方など、紅茶だけではなくそこから派生する全体的な知識を学べます。
ティーサロンやカフェ開業のノウハウなどの専門知識も得られるので、紅茶のお仕事への道にそのまま活用することが出来ます。
どこで学ぶかというと、サブスクで色々な資格を学べるformie(フォーミー)という会社に申し込んでスマホやPCでいつでもどこでも見られるタイプの教材で学習します。
基本的にはサブスク(3.980円/月)で学び放題プランを選びますが、38,500円で講座を個別購入することもできます。
申込などはこちらから出来ます。
個別購入には教材・認定証・検定・サポート費用なども入っています。
試験もスマホでいつでもどこでも受けられるという手軽さはこの時代には良いかもしれません。
不合格であっても再試験料1,500円なので、他の試験に比べると懐にやさしいですね。
勉強の標準期間は1か月という手軽さもあり、合格すればもちろん認定証も届くので、証明として利用できますね。
紅茶コーディネーター養成講座
公益社団法人 日本通信教育振興協会認定講座が認定する講座です。
紅茶のイロハから、ティーパーティーに必要な各知識が深く学べます。
また、紅茶専門店経営実践という項目で、実際に店舗を構える場合の知識も得ることが出来ます。
テキストやDVDなどを教材として学習し、課題や質問も用紙でやり取りする形です。
講座は64,000円で標準学習期間は9ヶ月です。
若干、高くは感じますが、受講申し込みをすると、耐熱ガラスティーポットやテイスティングカップ、メジャースプーンやストレーナーのほか、世界の5種セットまでついてくるので、納得の価格かと思います。
試験はなく課題を提出して進めていけば修了できるので、しっかりと学習して課題に取り組む必要があります。
修了時には、日本創芸教育認定の「紅茶コーディネーター」資格が取得でき、こちらも紅茶のプロとしての証となります。
紅茶アドバイザー&マイスター
紅茶アドバイザーとマイスターはそれぞれ別の資格ですが、どちらも日本安全食料料理協会(JSFCA)が主催している資格です。
紅茶アドバイザーは茶葉の知識から美味しい紅茶の淹れ方など、紅茶についての基礎知識を有しているかどうかを認定する資格です。
紅茶マイスターは紅茶のオーナーになる上で、オーナーの知識とそれを実務で活かせる技術を身につけたとされる人へ認定される資格となっています。
日本安全食料料理協会(JSFCA)
試験は約2ヶ月に1回開催されますが、在宅受験となっています。
しかもインターネット受験ではなく、紙媒体の試験で決められた数日の期間のうちに解答し、解答用紙を郵送する形の試験です。
この点はどう受け取るか、人によるかもしれませんが、もし私が主催者側の立場なら、不正防止のためにネット受験等を推進するかなと勝手に思っています。
ネット受験でも在宅なので不正は可能でしょうけれど、時間が1時間とかに限定されれば、その可能性も低くなるかなと思います。
その通りです。
受験料は10,000円で、70%以上の評価で合格です。
独学で受験することも可能で、ネットサーフィンをすると、独学合格の人もごくわずかではいるようです。
市販の紅茶の本を買って、しっかりと知識を頭に入れれば合格できるレベルのようです。
ただ、紅茶アドバイザー・紅茶マイスターの資格取得のための講座もあります。
一つは「SARA school(サラ スクール)」と、もう一つは「諒設計アーキテクトラーニング」です。
価格などは各公式サイトをご覧いただければと思いますが、大体6~9万円ですが、紅茶アドバイザーと紅茶マイスターの抱き合わせの講座ですので、2つの資格が同時に取得可能です。
上記2つの講座も、講義だけを受けて、試験は別途試験代を払って受験するプラン(6~7万)と、
卒業課題を提出すれば試験免除となるプラン(7~9万)が揃っています。
何だかこれこそお金で資格を買ってるんじゃないかと思われそうですが、サラリーマンをしながら、過去問もほとんどないような試験を独学でするのも怖いし、試験代も1万円なので、5,6回落ちたら、講座受けておいたほうが良かったという思いもあるでしょうから、人それぞれの判断でこの資格取得に取り組めば良いかなと思います。
どちらも頑張れば最短2か月前後で修了できます。
卒業課題も簡単という訳ではないですし、紅茶の知識は間違いなく吸収できますので。
因みに私も紅茶アドバイザーと紅茶マイスターを取得しましたが、講座を受けて良かったと思っています。
ティースペシャリスト
ティースペシャリストに合格すると、紅茶の知識や技術を備えていることを証明できます。
試験料は5,600円ですが、事前に指定の講座を受講しておかなければなりません。
指定の講座は「資格のキャリカレ」が運営しているコーヒー&紅茶 カフェマスター講座で、ネットからの申込で75,900円となっています(2022年6月現在)。
紅茶だけを考えている人にはちょっとコーヒーは要らないから安くしてもらいたい気持ちになるかもしれませんね。
試験は紙媒体の試験で、在宅で問題を解き、解答用紙を郵送する形の試験です。
ティーインストラクター
日本を代表する紅茶団体、日本紅茶協会が認定する資格です。
ジュニア、シニア、マスターなどにも分類されていて、シニアは5年以上、マスターは10年以上の紅茶業界での実務経験及び資格認定試験をクリアした人のみに与えられる称号です。
ジュニアでも年間30単位の紅茶に関する幅広い講義を受講して資格試験に合格しないとティーインストラクターの認定は与えられません。
また30単位についても一部、オンラインではなく現地での講義や実技を受講する必要があり、地方の人には少し難しい部分があるかもしれません。
また、金額も297,000円であり、それこそ紅茶一本で今後進んでいく覚悟がある人かお金と時間に余裕がある人に絞られそうです。
合格すれば、日本紅茶協会へ登録し、色々な活動もしながら紅茶への理解を深めることが出来るようです。
まとめ
いかがでしたか?
他にも「ロイヤルミルクティーマイスター」などの試験もありますが、基本的には日本で一般的な紅茶の資格は今回ご紹介したものになります。
そうですね。
どの民間資格も大体1ヶ月~半年で講座は修了となるので、多分、そんな短い期間で何が学べるんだ、と思う人もきっといるでしょう。
そして、紅茶のこのような資格が外部への強力な武器になるというところまではまだいえる状況ではないかもしれません。
ただ、どの資格も資格取得が目的ではなく、それをいかに活用するか、が大事だと思うので、自分が得た資格を基に精進していってもらいたいですね。
ぜひ皆さんも資格取得を目指し、自分の紅茶知識を深めてみてください。