「等級」と聞くと、品質のレベルかな、と思う人が大半だと思います。
でも、実は紅茶(茶葉)でいう等級とは、品質とは関係ないんです。
今回はそんなお話をしたいと思います。
目次
紅茶の等級の本当の意味は?
実は、等級が示すのは、「茶葉の大きさや形状」で区分したものになります。
分類することで、それぞれの茶葉について、紅茶を淹れる際の抽出時間等の目安が分かりやすくなります。
そのため、どんな茶葉を使ったとしても、いつも美味しい紅茶を淹れられるようになりますよ。
一般的には大きく分けて下記の4つに分けられます。
4つのタイプ
- リーフタイプ(茶葉を切断せず、そのままの状態)
- ブロークンタイプ(葉を切断した状態)
- ファニングス・ダストタイプ(切断したものをふるいにかけた状態)
- CTC製法
細分化しようとすれば、かなり細かく分けられますが、下記の分類くらいで充分かなと思います。
リーフタイプ
このタイプは、茶葉を切断せず、葉っぱの形状そのままの状態のものです。
OP:オレンジペコー
1㎝前後で、細長くねじれた形状です。
浸出した水色(すいしょく)は明るいです。
やわらかい若葉と、芯芽(割合は少なめ)が入っています。
FOP:フラワリーオレンジペコー
「OP」の中で、芯芽がとても沢山含まれているものです。
芯芽が多ければ多いほど高級になっていきます。
淹れた後は花のような香りがするのが特徴です。
PS:ペコースーチョン
下の「P」よりも固く、形状もさらに太く短いです。
残念ながら芯芽は入っていません。
そして、香りや水色も弱めです。
P:ペコー
「OP」よりも若干硬めです。
形状は太く短く5㎝前後でしょうか。
香りや水色は「OP」よりも若干薄いですが、コクがあります。
S:スーチョン
「PS」より、丸くなった形状です。
「PS」同様、水色が弱めですが、味はしっかりとしています。
ブロークンタイプ
このタイプは、葉っぱを切断した状態のものです。
BPS:ブロークンPS
「PS(硬めの部分)」の茶葉を切断して、ふるいにかけたものです。
「PS」が基になっているので、PS同様、香りや水色は弱めです。
増量用で使われることが多いです。
BOP:ブロークンOP
「OP」を切断して、ふるいにかけたものです。
もちろん味は「OP」と同じです。
ただ、茶葉が細かくなっているので、抽出時間は短くなって、水色や香りやコクも強めです。
市販品ではこちらがよく出回っています。
FBOP:フラワリーBOP
「FOP」を切断して、ふるいにかけたものです。
芯芽が多く含まれており、味にコクがあります。
抽出時間も短く、香りも豊かです。
ファニングス・ダクトタイプ
このタイプは、切断したものをふるいにかけた状態のものです。
BOPF:BOPファニングス
「BOP」をさらにふるいにかけたものです。
1~2㎜くらいになります。
BOPよりもさらに抽出時間も短くなり、香りも水色も強いです。
濃くなりがちのため、ミルクティーを淹れる際に使われることが多いです。
F:ファニングス
「BOPF」をさらにふるいにかけた際に出る、非常に細かい茶葉です。
抽出時間が短く、水色や味も濃いめです。
ティーバッグなどで使われます。
D:ダスト
茶葉をふるいにかけた際、一番小さい状態の茶葉で、ほとんど粉末状です。
ほぼティーバッグ用に使われるといっても過言ではありません。
因みに、別に「ほこり(埃)」という意味ではありません。
CTC製法
茶葉を作る過程ではいくつかの製法があります。
詳しくは別記事で紹介しますが、そのうちの一つにCTC製法という作り方があって、その製法によって作られた茶葉のことを言います。
このCTC製法の中にも、それぞれBOPなどの分類がされています。
まとめ
いかがでしたか?
すべてを覚える必要もないですけれど、茶葉を選ぶ際の目安になれば良いですね。
確かにね・・・。しかも世界で統一された規格ではないので、難しいと思います・・・。
ただ、「B」はBrokenの頭文字なので、Bが付いているものは細かい茶葉と覚えておけば、少しは楽になるかも・・。細かい茶葉なので紅茶は抽出しやすくなりますね。ミルクティーで入れる時にはB付きの茶葉を使うのが良いかもしれません。もちろん、生産地や状態によって違うと思ので、一つの目安として覚えておく良いと思います。